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2013/02/19

この2週間で考えたこと

2週末連続して、活動をともにした知人を事故で亡くした。2/10の連休は山で、2/17日は海で。いずれも悪天候の中で起こった事故だった。山や海を本格的にやりだせば、リスクは常につきまとう。それが死という最悪の事態につながる恐れがあることは、誰もが知識としては知っている。しかし、彼らがそれをどの程度本気で意識していたか?同じ疑問は自分自身にも突きつけられる。そして私が今ここでブログを書いているのも、ただ運がよかっただけなのではないかと。
 知人としては悔しくて無念という思いしかない。その一方で、アウトドア活動とリスク管理をテーマとする専門家としては、様々な思いがある。
 一つは現代のアウトドアスポーツのあり方に関するものだ。アドベンチャーレースや50kmを超えるような(一般の人にとっては)心身の限界に挑むスポーツは、現代のアウトドアスポーツの一端を特徴づけている。「肉体の限界に挑む」ことがクールなことと思われているが、それは大きなリスクと裏腹である。現にアドベンチャーレースでは、過去にも死亡事故が発生しているし、オリエンテーリングでさえ、ここ数年高齢の方とは言え、心不全や転落による死亡事故が発生している。自然の中で活動していることを十分に意識しているとは言えない、トレイルランナーたちもその予備軍と言えるかもしれない。
 この流れを止めることは難しいかもしれない。またそういう選択肢があってもよい。しかし、リスクと裏腹であること、そしてそのリスクから身を守ることは自分の責任であること、その責任を果たすためにスキルが必要であることは、どれだけ活動者に伝わっているだろうか。主催者側の安全に対する配慮義務の蔭に隠れて、それが見えにくくなっているのではないだろうか。最近、こうした傾向を「煽る」側にある自分、主催者として、「事故は起こしたくない」と思う自分として、そんな視点にも目が向く。
 個人の責任やそれを果たすためのスキル、環境の問題、リスクはそのいずれの視点からもアプローチすべき問題だが、社会がリスクとそれを潜在的に抱える活動をどう意義付けているかは無視できない問題だ。
 しばらくは、この課題と付き合っていく必要がある。

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コメント

私は主催者ではありませんが、運営サイドとしても参加者としても、アドベンチャーレースなどの活動に関わります。先日の事故から、村越先生と同じような思いが頭をぐるぐるとまわっています。リスクは楽しさや達成感の真裏にあるのではなく、一体としていつも存在していることをどれだけ意識し続けられるかが大切なんだと感じています。具体的にどうしたら意識し続けられるかはこれから考えたいと思います。まずは具体的にイメージしやすい自分が危険を感じたシチュエーションの洗い出しとその根本原因分析から。

投稿: 早川秀人 | 2013/02/19 08:42

具体的なイメージづくりは最初の一歩だと思います。
学生には体育の授業で「ツールボックスミーティング」をして、今日の危険を考えてもらいます。驚くほど出ません。あれこれコメントすると、最後の感想では、あんなに危険があったとは意外、といったコメントがでます。
 今度やるアウトドア活動のリスクをイメージして見ましょう!どのくらいリスクをリアルにイメージできるでしょう?

投稿: shin | 2013/02/19 17:15

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