UTMFを終えて
UTMFが終わって、多くの人から「成功おめでとう」のメッセージをいただいたり聞いたりした。様々な障害を乗り越えてここまでこぎ着けたのだから、スタート時と無事終了時には、困難を乗り越えた仲間たちと抱擁し、レースに無事たどりつき、また何事もなく終了したことを喜びあった。だが、救護のディレクターとしては、納得というにはほど遠いできだという思いが、日を経つごとに大きくなる。幸いなことに大きな事故はなかった。病院への搬送も現在把握している限りは4件だった。コース管理の中で物理的に安全策をとったこと、関係者が危険箇所の認識を共有し、それを選手と共有するよう努めたことは、危険を回避する上では重要な役割を果たした。その努力は十分誇れるものだったと思う。
レース中も、リタイア者や不調者はほぼ全て誘導員からの無線で把握し、彼らが回収されエイドに収容されるまで、救護セクションでは常に見守っていた。何かあったら屈強の山男たちを現場に行かせることができる体制も整ってはいた。緊迫感はあったが、事態をコントロールしているという実感はあった。
一方で、レース中は夜半に行動不能で誘導員のテントに収容され暖を取ることでなんとか夜明け後行動自力でリタイアできるまでに回復できた選手もいた。天気がよかったからそれで済んだのだ。天気が悪かったら、天子山塊もこんなことではすまなかっただろう。その時、十分迅速に対応できただろうか?あんまりハッピーになれないこの性分、リスクマネージャーの性なのだろう。
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