これを見ずして富士山を語るな(2)村山浅間社の巻
僕たちオリエンテーリング愛好者は、富士宮市村山にある村山ジャンボという合宿旅館によく宿泊する。その脇にあるのが村山浅間社だ。1996年に富士山周辺アウトドアガイドを作成した時、この浅間社が平安時代以来の由緒ある神社だということをはじめて知った。
村山浅間社で見るべきはなんといっても7月1日の山開きの神事だ。地元の中学生と山伏がふんどし姿で水垢離をする。その後は、破魔矢や護摩炊きが行われる。なによりの見所は山伏問答だ。これは京都聖護院系の流れを組む当地の山伏たちが、問答で正真正銘の聖護院系の山伏であることを証明するユーモラスなやりとりだ。「まっこと聖護院の山伏なら、この頭につけたるなんちゃらの由来を説明できるであろう!」と結界を守る山伏が聞くと、相手の山伏が、「そこに着けたるなんちゃらは、なんとかかんとかでござる!」と答える。この地が平安時代からの山岳信仰の一大拠点であったことを伺わせる。この行事にははじめて富士山に登った外国人オルコット駐日英国大使にちなみ、現在でも駐日大使が招かれている。
村山神社を訪れたら、平安時代からの登山道「村山古道」を歩いてみたい。少し前に復活して随所に道標が建てられている。その歴史的考証は不十分だが、1000年以上前の人々が同じ場所を歩いたと思うと、登山の感慨もひとしおだ。五合目で富士宮口に合流している。
▲水垢離の儀式
▲山伏問答
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コメント
先生 全日本M21A優勝おめでとうございます。
今富士山麓ロゲインの要項見ていて思い出しました。村山古道を田子の浦から辿ろうと思い、畠堀操八氏監修の地図を取り寄せました。富士山の山開きに合わせ決行するつもりでいますが(新6合目までが村山古道なので そこまで。山頂はあまり興味なし、前に行ってるし)ロゲインより先に計画していたら有利だったかもしれませんね・・。どちらも楽しみです。
投稿: h623 | 2012/05/08 12:39