ナヴィゲーションとリスク
朝霧での3日間の講習会が終わった。講師をしたのは最初の2日間だけだったが、日曜日も受講者として中村先生のリスクマネージメントのセッションに参加した。曖昧でどう推移するか分からない状況にどう対応するかをグループで考えるリスクマネージメントエクササイズは、改めて多様な視点の存在に気づかせてくれた。適切な視点を設定することで曖昧な状況を切り分けて、それによって適切な行動を選択することが、メタスキル(ソフトなスキルとハードなスキルをつなぐもの)を構成している。それは「生きる力」やOECDが言うキー・コンピテンシーとも共通性を持つ。野外での体験で危険を回避すること、回避させることは、現代に要求される資質を育てることでもある。
自然の曖昧さの中でナヴィゲーションをするオリエンテーリングは、それをよりシンボリックな形でより安全に体験するという意味で、現代にマッチしたスポーツだということを改めて確認できた。シンボリックな部分をどうしたら、リアルな状況の象徴であると気づかせることができるか?そこに最後のハードルがある。ちなみにリスクはもともと危険を冒して岩礁の多い海路を使って荷物を運ぶというような意味を持つので、ナヴィゲーションとは縁の深い言葉なのだ。
いい講師にいい受講生がいると、いかに講習が実りあるものになるかを実感できたのも収穫だった。こんな講習を、これからどれだけ設定していくことができるだろうか?
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