儀式と宿題
全国山岳遭難対策協議会は、名前は対策協議だが、実際には儀式に近い。もちろん、これだけの役所がそろってやることである。儀式も重要だとは思う。最後に山岳遭難を減らすための提言が採択されたが、それをこれからどうやって具体的なものに落としていくかは、現場に問われることだろう(この提言については近日中に登山研修所のhpに掲載されるらしい)。
大津市消防の現場からの報告と課題を受けて、日本山岳協会と登山研修所のしかるべき立場の人が、回答するというパネルディスカッションも、課題はたくさん残ったが、一歩前進ともいえるだろう。
16:20まで協議会があったあとは、18時から、日本山岳協会主催のシンポジウムが行われた。ここでは僕もパネリストになって、まあ自由な立場での発言ができた。
これからの遭難をどう防いでいくかというテーマでのディスカッションの最中思いついたこと。身近な遭難は現場や山岳団体に任せるとして、自分として何ができるかを考えた時、未来を見据えて教育の中にどういう形で再び野外活動(登山)を取り入れていくことができるかという視点だった。そりゃあ、これまでも遠足に登山、林間学校だとそこそこの高山に登るということも行われてきたが、訓練の域を出ていない。一方で学校教育の中では「生きる力」、もう少しまじめにいえば、児童・生徒が自ら課題を見つけ・解決する方法を学ぶことが奨励されている。ならば登山によってどんな力の育成が可能なのかを指導要領に対応した形で抽出するとともに、それに対応したプログラム(授業案・実践案)を提案していくことが必要だ。
たとえば、学校登山で子どもが地図を見るだろうか?僕の経験では一度もそんな経験がない。でも地図を見せる。距離を測って自分たちがいったいどれくらい歩くかを計算する。地図から危険個所を想定する、ついでに距離から消費カロリーから消費水分を計算し、持ち物の参考にする。これこそ総合的学習!
いやはや、またもや自分から宿題を増やしてしまった。
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