カリフォルニアのトレイル
学会で北米に来たので、知人のいるロスによって、アメリカのトレランイベントに出て、トレイルを走ることにしたアメリカは食わず嫌いだったが、アウトドアをやるものとしてはやはりその現状を押さえておく必要があるだろう。昔都市計画を勉強していた時に習ったとおり、ロスは本当に無節操なく広がっている街だった。その北方をサンタモニカの丘陵やサン・ガブリエルの山地が縁取っている。
アウトドアショップで地図を手に入れて良さそうなトレイルを物色していると、「ウィルソン天文台」の文字が目に入った。聞いたような名前だな。ウェブで調べてみると、20世紀前半は100インチの望遠鏡を持つ世界最大の天文台で、ハッブルが赤方偏移や銀銀河系以外の宇宙の発見など天文学上重要な発見をしている。観光気分でその周囲のトレイルを走ることにした。
最初にたどり着いた山頂へのパークウェイは入り口で閉鎖されていた。数年前の山火事のダメージが残っているらしい。仕方ないので、北側の渓谷沿いに回り込んでみた。こちらは閉鎖されていなかった。自転車で降りてくるサイクリストなどもいて、いかにも自然公園っぽい。しばらくいくと、対向車線の自転車の二人に呼び止められた。一人が落車で右腕を明らかに骨折、背中も打っていて息をするのも痛そうだった。「病院まで送っていってくれないか?」というので、載せていってやることにした。アメリカ軍には相当世話になってるからな。彼はトライアスロンもやるらしく、「今日は山の上でトレラン、明日はレース出るんだ」っていったら、「靴は何履いているの?」と聞いてきたから、結構興味はあるのだろう。
そんなこんなでウィルソン天文台に着いたころにはもう11時を回っていた。驚いたことに山頂の木々は霧氷で白くなっていた。ここから一度沢沿いに降りて、再び尾根を上がってくる。印象よりも柔らかいトレイルで走り易い。登りも700mくらいあるが、トレイルの付け方がいいのか、ほとんど全部走りきれる程度の傾斜だった。
天文台周辺も前半のトレイルもそこかしこに登山者がいたけど、ランナーはいなかった
右手の木の枝の白いのは霧氷。周囲には残雪も積まれている(標高は1500mくらいだ)。
こいつが20世紀前半は世界最大だった100インチの望遠鏡が入っている観測所。
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