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2011/04/10

ウルトラライト

 最近出たばかりのヤマケイの「ウルトラライトハイキング」を読んだ。ちまたでは、goliteなどの軽いウインドブレーカーや、テント、マット、ザックなど、様々な「ウルトラライト」な製品をよく目にする。「そりゃあ、軽い方が歩くのも楽だしねえ・・・」「メーカーの新たな製品販売戦略」などと、ちょっと斜めに見ていたが、「ウルトラライト」というのはただ荷物を軽くすることだけでなく、それによってより自然に近づくことや、道具に対する意識を高める、一種の「思想」だということがよく分かった。しかも、その思想があまり押しつけがましくないのも好ましい。
 もちろんリスク管理は必要だが、道具の持つ機能のうち、自分が要求しているもの、日々使っているものは何か?それに対応した時、道具は最低限どのような姿であるべきなのか。それを考えるのがウルトラライトの思想だ。そう考えると、ナヴィゲーションでいえば、真っ先に考えるべきなのは、プレートが必要かという点になるだろう。日本の無雪期の山では、プレートの出番はほとんどない。もちろん、プレートの重量などたかが知れているが、かさばるプレートがあるが故に利用時の難しさが生まれると同時に、ザックやポケットにしまってしまうとしたら、本末転倒である。
 ウルトラライトの発想で見ると、登山者のトレランスタイル(特にウェアや靴周り)への批判も的外れに思える。もっとも、ウルトラライトを実践する以上、それによって生まれるリスクへの敏感さも必要になる。逆にそれが可能になるのなら、ウルトラライトはむしろより安全な(リスクへの対応が可能な)登山も可能にしてくれるだろう。

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