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2011/03/12

リスクマネージメント

やまけいの取材を終えて奥武蔵の山を高麗まで下りてきた時に、地震があった。ちょうど東京の本社と電話していた人が、すごいらしいぞ、もうすぐこっちにも来る、と叫んでいる。長い初期微動と大きな揺れにただならぬ地震であることが分かった。
 すぐに西武線は停電で止まった。とりあえず飯能までバスでいく。とにかく都心を目指そうということで、ヤマケイの人と4人で都心方向に向かった。居眠りしていて分からなかったが、相当な混雑のようで、一時所沢に降りた。
 この時点では、まだ地震の状況がよく飲み込めず、交通機関も2,3時間もすれば回復すると考えていたが甘かった。サイゼリアで食事をしている時に、JRもどうやら今日中には動かないだろうことが分かった。
 それでも「都心に行きたい」というヤマケイの人とカメラマンと3人でタクシーに乗った。混んではいたし、運ちゃんも八王子の人で、全く道は分からないというのを、「僕たち地図読みのプロですから」と説き伏せ、カシミールの地図、ipod、紙地図を駆使して、都心に向かった。新宿まで3時間だった。
 新宿は、金曜日の夜としてはこの程度だろうと思う人混みだったが、駅の随所に人が座り込んでいた。ホテルも当然のように満室ばかり。ただ、ラジオで「新宿高校が帰宅難民のために開放されている」と聞いていたので、最終手段はそこを使おうと思っていた。仕事柄、後学のため。
 時期的に幸運だったと思うが、おそらくマニュアルにある体育館と大きな視聴覚ホールの他に、卒業してからっぽになっていた3年生の教室も開放されていた。とにかく暖かい場所で横になれることに感謝した。行政の仕事は、マスコミによくたたかれるが、整然と帰宅者支援施設が運営されていることは、行政のリスクマネージメントの成果だと思う。担当の人たちの落ち着いた暖かい言葉かけにほっとした。新宿高校は立地と施設の充実度があるのだろうか、真っ先に開放されたが、その他の都立高校も全て開放されたとニュースがあった。
 3年生と言えば、今日は国立大学後期入試。同時におこなわれているインカレも心配だが、入試に深く携わったものとしては、遠隔地の受験生が前日ほとんど移動できなかったこと、その中で入試がどう行われるかも気がかりだ。

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コメント

地震の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

先生はどこにいらしても 状況をプラスに転じる、それって本能ですか?っていうか、どんな事態も乗り越えていらっしゃるのって 凄いと思いました。ご無事で何より。

私の娘は笹塚に住んでいて、夕べ甲州街道を帰宅する人達の群れが凄かったと言ってきました。
以前ロゲインで神出鬼没だった先生を思い出し(ちょっと違うか・・)、いつか起きるかもしれない東海地震に対する気構えを 改めて考えさせられる一文でした。

投稿: h623 | 2011/03/12 19:23

お気遣いありがとうございます。
ほんとうに多くの方の無事を祈るばかりです。
防災関係のMLのリスクマネージメントを本職にする人の記事を読んで反省しましたね。その人もやはり新宿にいたのですが、まず3つのオプションを考えてから意志決定をしたというのです。
僕は、もう最初から都心に向かうことしか考えてませんでしたね。もちろん、山の帰りで装備も十分、いくらでも歩ける。いつものくせでサバイバルパックをもっていたので、なんなら道ばたで寝てもサバイバルシートあるし、パワーバーもヘッドライトもあるしね、という楽観主義はどこかでありました。
 適切な装備は行動オプションを広げ、気持ちを楽にしてくれるというのは山でも災害でも同じですね。

投稿: shin | 2011/03/12 22:22

さっきのちょっと補足。
 別のブログでも書きましたが、オプションを用意して意志決定するのをほんとの(?)リスクマネージメントするなら、装備と自分の感覚に裏打ちされた前進は、アウトドア型リスクマネージメントかな?

投稿: shin | 2011/03/12 22:50

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