« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010/09/29

3000m走

ヨーロッパでは人気の陸上中距離種目だが、日本ではあまり人気がない。短距離にも長距離にも向かなかった選手が高山植物のごとくほそぼそとやっている印象がある(関係者のみなさん、ごめんなさい)。

 それにしたって、ヨーロッパやアメリカだって、マラソンブーム、ジョギングブームというのがあっても3000m走ブームっていうのはありえないだろう。アスリートならともかく、一般の人がやるには辛すぎる。練習しなくても走れてしまうが、疾走感とか、その中で最後にギアを入れ替えてスパートして、勝負を賭けるといった面白さは練習しなければ味わえない。ブームになるにはストイックすぎる競技なのだ。

 考えてみると、これってロゲイニングとオリエンテーリングの関係に似ている。オリエンテーリングってとってもストイックな競技。トレーニングをしている(週2日くらいですが)僕ですら、楽しいと思えるのは本当にコミットしたレースだけだ(でもクラブカップリレーは本当に面白かった)、中堅社会人としては、それだけのコミットをするのはせいぜい年に1回くらい。その代わり、そこには至高を求めるストイックな楽しみもある。一方ロゲイニングなら、6時間なり12時間走りきれるだけでも達成感があるし、成績はとにかくビールも食事もおいしい。

 3000m走とマラソンやジョギングは確かにランニングとしてだいぶ性質が違うが、3000mがもし仮に単体であったらとても生き残れないし、発展もないだろう。一般の人が「とりあえずおためし」する入り口がないからだ。周辺的なジョギングやマラソン(あるいは逆にどこの学校でもやる徒競走かもしれない)があるからこそ、その上に発展もある。

 そういうアナロジーで考えると、長年自分でやって、愛好してきた実感からしても、オリエンテーリング単体で大きな発展普及を考えるのには限界がある。ロゲイニングやクイックO、スプリント、正統なオリエンティアから見たら異端に思えるような広がりも、大きな心を持って「ナヴィゲーション・スポーツ」としてともに発展しあっていくことが自分のためにも、アウトドアスポーツ界のためにもなる。

 アウトドアに不可欠な「ナヴィゲーション」という要素さえあれば、周囲に飲み込まれてしまうことも、アイデンティティーを失うこともない、と思うのだが。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

no pain, no gain

 静岡のとある地域の依頼でトレランイベントの可能性を調べた。初回の調査である程度面白いコースが組めそうだという話になって、我慢できずに二日後に単独で未踏査の部分の確認にでかけた。安倍川流域は、山が急で、市街地からいくらも離れていないのに、いきなり1000m級の山が登場する。登る人も少なく、登山道も少ない。唯一の救いは、山上まで植林地化されているため、登山道がなくても林内を走れる可能性がある点だ。
 序盤は、自分が申し込んだらきっと後悔するか悪態をつくようなルートだった。だが、主稜線に上がってしまうと、開けた針葉樹林が広がり、道なき尾根を爽快に駆け抜けることができる。コース後半も、20年以上前にできて今やすっかり木立におおわれたしっとりした林道やら緩やかな尾根上のハイキングコース、果ては静岡市街が一望できる山上の自然公園など、お楽しみ満載。キャッチフレーズはno pain, no gainというところか。
 このコースの下見をしながら、安倍峠から安倍川河口まで、安倍川東稜線に沿ったトレランイベントの話で盛り上がった。なにしろこれだけの一級河川の源流から河口近くまで(正確には5kmくらいの地点か)まで、ほぼ一本の尾根上を連続したトレイルで走り切れるなんて、他にはちょっと見られない。運営は大変だがロマンあふれる片道コースの必然性もある。イベントの名称は『トランス・シズオカ』きゃないでしょう。もちろんゴールは河口から1kmほど東にある大浜海岸。最後に太平洋に手をつけてゴール。初回は100人限定。静岡駅4時集合で、チャーターバスで安倍峠7時スタート。途中十枚と真富士がエイドと関門。この稜線、林道が一度も横切っていないので、ロジスティックスも結構大変だ・・・。
 あ、また仕事増やしてしまった。

Simg_7274

しっとりと落ち着いた林道

| | コメント (4) | トラックバック (0)

SSFでオリエンテーリング紹介

アジア選手権の時に、取材があったオリエンテーリング紹介がなかなかいい出来で公開されている。番場選手、寺垣内選手がかっこよく写っている。


http://www.ssf.or.jp/sfen/motto/motto_vol_005.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/09/20

after 15years

15年後に日本で再び世界選手権ができたら、というのはノルウェーにいたときにふと思いついたのだが、5年後にマスターズを誘致、というアイデアは突如頭の中に浮かんできた。今や富士山麓には全域にわたってLiDARデータがあるのだから、地図だってこれまでの半分の工程で、質の高いものができる。富士山麓なら、宿舎のキャパにも困らないし、何より年寄りオリエンティアの観光欲求も容易に満たしてくれる。レストの日には富士登山。山頂でおはち巡りのミニオリエンテーリングとかやったら、彼らも大満足だろう。そこで、行政や観光関係者との関係を築き、パブリシティーも進めて、その5年後に世界選手権に立候補。時間的スケールも絶妙である。最近は富士山周辺のキーパーソンともだいぶ仲良くなれたしね。

 2005年の世界選手権が決まった時、「冥土のみやげに御願いしますよ」といった年輩のIさんのところに「もう一つ冥土のみやげはいかがですか?」と話しにいったら、「元気だったら、手伝わせていただきますよ」という返事をいただいた。社会人にとっては予想できない長さでもないが、様々なことがゼロからでも始められるくらいの長さでもある。

さっそく、YaさんにもYaさんにもYa、Shiさんにも、HaさんにもMaさんにも相談にいった。それぞれの反応も面白い。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

ブランディング

先日、トレーニングの伝道師山本ケイイチさんの紹介でキッザアニア(職業体験ができる一種の子ども向けテーマパーク)の人と話す機会があった。そこで、ブランディングという言葉を初めて知った。この言葉を知るまでは、僕にはマーケッティングとブランディングの区別が着かなかったのだが、たとえば企業がキッザニアに自社の体験コーナーを提供することは、直接的な市場開拓ではないが、企業のイメージアップであり、将来の顧客の下地づくりという意味でブランディングというらしい。

ウェブで調べてみると、消費者が意志決定を単純化し、ある製品カテゴリー内で、ブランド間の差異を作り出すこと、らしい。

 なるほど、自分が今やっていることはオリエンテーリングのブランディングに他ならない。「ナヴィゲーション」というキーワードで他のアウトドアスポーツとの差異化を図り、間口を広げるとともに中身のイメージを明確にし、「消費者」の意志決定を単純化する手伝いをすること。読図講習会もロゲイニングも、ナヴィゲーションスポーツのブランディングと考えると、自分自身の整理がつく。

 アウトドアは遊びだけど、山岳救助隊体験、っていうアイデアが出てきた。親にGPsを持たせて森の中に隠れさせ、子どもがそれを探し、救助する。結構宝探し感覚で楽しいかも。そのカバーストーリーの中で自分や他者の安全を守ることを学べるし、地図やナヴィゲーションの面白さも体験できる。これもオリエンテーリングのブランディングの一つになりそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/09/19

練習

 最終回だという触れ込みの7人リレーに向けて、久しぶりに真剣な練習をした。とにかくスピードが課題だ。循環器系がアップアップで、しばしばスピードダウンという経験がレースや練習で何度も続いていた。2週間程度のトレーニングで決定的にどうなるというものでもないが、それでもやらないよりはいいだろう。たった4回だがインターバルトレーニングをした。 驚いたことに1週間くらいで、明らかに体の切れがよくなり、気持ちよく走れるようになった。トレーニングの効果が実感できるなど、何年ぶりのことだろう。こんな楽しい思いができるなら、練習しようという気も起きる。 16年ぶりの順位更新を目指した今年の7人リレー。田濃・和久田・平井の3人でほぼトップに近い位置にいられるだろう。そのあと稲葉・若山で少しづつ離され、たぶん8-12分差で6走の僕がスタートできれば、僕と松澤で3位が狙えるのではないか?結果は平井までの3人でトップに立ち、稲葉・若山が冷静に抜かれ、僕がタッチを受けたのはトップから12分差。ここまでは予想通りの展開だったが、その後の展開は全く予想外れだった。僕の段階でトップとの差を5分詰め、松澤がさらに6分詰めてしまった。6・7走の上位チームがナショナルチームか準ナショナルチームだということを考えると、そんなレースの中で高いレベルでまとめて走れたこのレースは、僕の競技人生の中でも誇りにできるレースの一つに数えることができるだろう。 気持ちよく森の中を走りぬける快感を久しぶりに味わってしまった。「練習は裏切らない」なんて、言い古されたフレーズだけど、50歳にして味わうとはね。だからアスリートはやめられない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/09/15

朝霧と富士山麓

モンブランから帰った週に朝霧トレラン、翌週に富士山麓ロゲイニングと、2週連続のイベント開催はさすがに辛かった。特に富士山麓では今年初めて使う地図の準備のために時間が必要だった。ある程度は予想がついていたが、バイトに任せた地図トレースの最終的な統一とか線幅の調整にはかなりの時間を費やした。 

 参加者の感想は十分には聞いていないが、「ロゲイニングにはこういう奥深さもある」という点が伝われば今回としては成功だったと思っている。成績チェックのために全チームのcpチェック順をチェックしていると壮絶な戦いぶりが目に浮かぶ。

成績は以下のURL

http://homepage2.nifty.com/MNOP/houkoku/hujisanrokurogaining.htm

GPSトラッキングの結果は、

http://www.rogaining.jp/index.php?lang=ja

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/09/02

UTMB写真集

UTMBのタイトルのマイフォトにUTMBのコース途上の写真を掲載しました。残念ながら逆順になっているので、後ろから見るとコースを追う形になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »