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2010/08/16

サービス過剰社会

 2005年に世界選手権を運営して依頼、スポーツイベントを見る目が完全に運営者モードになってしまった。トロンハイム工科大学の学生が働いているのを見ると、次の世界選手権の時、どうしたら彼らにように日本の学生が働ける環境を作れるかと考え、観客の輸送を公共交通に頼っているのをみると、輸送にコストと労力が全く掛からないいいアイデアだからぜひ、次回は取り入れようと思う。そうそう、今回の世界選手権を見て、15年後くらいに、リベンジとしての世界選手権をもう一度開催したい。その思いも強まった。
 今回の世界選手権では、予選も含めて6レースの半分は、トロンハイムの市バスを使って会場に行った。街のバス停にいくと観客であるオリエンティアがどっさり集まっている。朝は乗るバスが分かれるのでいいが、帰りは観客がいっせいに帰り始め、30分に1本か1時間に一本(日曜日)のバスを待つ。バス停には整理係もいなければ、定期バスに乗りきれないほどの観客がいるのに臨時バスが出るでもない。乗り損ねた観客は自分で2kmほど歩いて別の路線のバス停に向かう。日本だったらぜったいキレる乗客がいて、ホームページが炎上しそうな対応だが、観客は淡々とそれを受け入れている。そういえば、数少ないコンビニを除けば日曜日はほとんどの店が閉まっている。土曜日も午後15時には閉まる店が多い。
 最近、自分がかかわっているイベントがだんだん日本化し、「サービス過剰状態」に向かっていることが気になっていた。手を抜けばもっと数多いイベントを気軽に提供できる。それによって参加者が自分たちの行動を自律的なものにすることも可能になる。そして、運営者と参加者がイベントの協働製作者になれる。サービス過剰状態になることで、そのいずれもが失われつつあるように思えていたが、ノルウェーの世界選手権の「手抜き」運営を見て、その思いは強くなった。
 日本の社会にあって、それはスポーツイベントだけのことではなく、社会全体の課題なのかもしれない。サービスを減らすことの価値を見直してみたい。

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