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2010/03/27

読図講習会

奥武蔵ロゲイニングの前日。ナヴィゲーションセミナーを行った。

いろいろな人がいるものだ。普段登山はしているけど、ロゲイニングははじめて。でもシリーズ戦のビラもらって、おもしろそうだから、全部でてみようかな(絶句)。

 今時のアウトドア風の若い女性。山の中の足取りもおぼつかない。でも、これがびっくり、とんでもない読図センス。1:25000の補助曲線でゆるくはりでた尾根分岐で(とは明示的に言わなかったが)止まりましょう、という課題。「あのこんもりしているのがそうかなと思って止まりました」と、ぴったり。自信はなさそうだったが、「はじめてきました。トレランは嫌だけど、(ロゲは)ピクニックみたいで楽しそうだから」(これも絶句)。世の中にはどんな才能が隠れているかわからないものだ。こんな女性がブレークする姿をみてみたい。

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2010/03/26

デス・ロード

今日から奥武蔵ロゲイニングをはさんだ、「長期遠征」。遠征といっても残念ながら走る方ではなくて、「営業遠征」。

 午前中はローカルFMのトーク番組に。なんて紹介しましょうか?って聞かれたので「ナヴィゲーションのファンタジスタ」と言ってください、といったら、「かっこいい!」って大受けだった。「僕ら、30年以上地図読んでいて、サッカー選手がファンタジスタって言われるようなのと同じようにすごい技があるんです」といったら、「サッカー選手って、周囲の選手とか空間把握しているんですよね」という受け答え。ホストのアナは意外とセンスがよい。

 東京への新幹線で、「読図術改訂版」のために、大日岳でのやぶ尾根下りの記事を編集しなおして、我ながら「ファンタジスタ」というのは、私たちの技術をよく言い当てていると改めて思った。

 その後東京のミーティングの内容は楽しかったんだけど、あまりに楽しすぎて興奮しすぎたのかも。初日にしてぐったり。

明日の講習会やあさってのロゲイニングが、いい息抜きになるだろうか・・・・

最後のご褒美に、ロゲイニングにもよくでられるビニさんのマッサージを入れた。それを励みにがんばろう!

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オリエンテーリングの地図

 古今書院から、「地理」4月号がどっさり届いた。地理教員や地理教育研究者を主たる対象とするこの雑誌から、「オリエンテーリングと地図」という特集を組めないかと相談されたのは、4ヶ月ほど前のことだった。地理教育に携わる人の多くが目にするこの雑誌に、頼みもしないのに特集が企画されること自体、大歓迎であった。執筆者は、僕以外はすべて地理学を専門とする教員や大学研究者である。しかも、カラー口絵が4pもあって、地図や写真も掲載し放題。オリエンテーリング地図の素晴らしさや特徴を余すことなく伝えられる。
 1200円と、やや値は張るが、それだけの価値のある一冊に仕上がった。もうすぐ書店に並ぶだろう。

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表紙は、愛知の世界選手権で昭和の森を走る選手。バックはフィンランドの世界選手権。この地図の繊細さは、地理関係者なら目を見張るだろう。

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2010/03/25

トレーニングと研究

 研究とスポーツという二つの世界に身を置いていると、両者の共通性を強く感じることがしばしばある。研究は一般には頭脳作業だと思われているが、頭を使わなければスポーツの世界だって一流にはなれない。何よりトップに立つには独創性が要求される。スポーツは肉体作業だと思われているが、研究だって(分野によるが)泥臭く単調な分析を、少しづつ条件を変えながら延々と繰り返すことが必要なことは多い。変数をぶち込んでランすれば、とりあえず結果がでる多変量解析(学生の卒論だとそういう処理が多いのだが)も、まともな結果を得ようと思ったら、試行錯誤と洞察の連続で、スポーツで単調なドリルをしているかのような錯覚に陥る。最近読んだ「その科学が成功を決める」(文芸春秋:これはアスリートにも、仕事の上で成功しようとする人にもお勧めである)でも、子どものころの「我慢強さ」が後のアカデミックな成功と大きな関連があることを報告していた。スポーツでも研究でも、地道なねばり強さは重要な鍵だ。
 ここ2年間(といっても授業のない休みの時に少しづつ)取り組んだデータにようやく形と意味が与えられつつある。実感にそった美しい結果にほれぼれする側面もあれば、読図スキルと道迷い体験には正の(!)相関があるという、一見あり得ないような結果、そしてそれにリスクホメオスタシスの視点から、やはり実感に沿った説明を思いつく瞬間。データとそれに対する適切なアプローチは、自分の見方を広げてくれる。それは、適切なトレーニングが、自分の限界を押し広げる瞬間をかいま見せてくれるような快感である。

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2010/03/17

ルスツ再訪

 雪中の北海道で3日間の講習会を持った。スキーオリエンテーリングの世界選手権以来1年ぶりのルスツである。世界選手権では、ルスツリゾートとそのスタッフの方々には並々ならぬお世話になった。いわばそのお礼奉公である。
 3日間の講習会は久しぶりで、しかも先週の冬山講習ですでに疲れていたので、さすがにぐったりしてしまったが、スタッフの真剣さと楽しそうに講習を受けてくれたことが印象的である。アクティビティーというプログラムを提供するスタッフが中心だったことも一因だろう。彼らの多くはたまたま仕事でオリエンテーリングとつきあいができた訳だが、その熱意はなまじのオリエンティアよりも遙かに高い。
 ここでは年間1000人以上の高校生がオリエンテーリングを体験する。残念ながら、インカレ表彰式のインタビューで、「ルスツでオリエンテーリングを体験して楽しかったので、大学で始めました」という声をまだ聞いていないが、そんな日もいつかは訪れそうな気がする。もちろんそのための仕掛けづくりは彼らの仕事ではなく、こちらの任務なのだが。

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2010/03/13

ベーシック

 大日岳の遭難以来10年ぶりになる国立登山研修所の冬山リーダー研修が行われた。再開にあたっての安全検討委員会のメンバーになったことや、今後も改訂しなければならない研修所のナヴィゲーションカリキュラムのための情報収集のため、むりくり時間をひねり出してオブザーバーとして参加することにした。
 学生2人がなくなった事故の影響は大きい。再開に当たってテレビや新聞数社が取材に来るどころか、地元の山岳ガイドを雇って、冬山の中の1泊2日の研修を取材するというフィーバーぶり。
 冬山では雪で地形が見えない、変わっているから、夏山と同じナヴィゲーションはできないという人がよくいる。しかし、所詮、雪が積もっても2-5m程度で、辺り一面ほぼ同じ厚みでつもる(もちろん吹き溜まりはあるにしても)。それに対して等高線は10m間隔だ。雪の厚さなど省略や誇張の範囲内なのだから、夏山のナヴィゲーションが通じないことはなかろう思っていたが、全くその通りだった。むしろ藪もなくなり葉も落ちているために視界が開け、しかも、雪と空や木々のコントラストは大きくなるので、地形は読みやすいくらいだ。「夏と違う」という人は、夏には地形をよく見ていないので、「違う」という結論に至るのだろう。話を聞いた講師の人も全く異存はなかった。夏山でも、道だけでなく地形も見て進路を確かめることが冬山にもつながるベーシックとなるはずだ。

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(悪天候にならない限り、地形も分かる。コンパスで方向を確認すれば、進路の維持は夏よりも容易だとさえ言える)

 それにしても、雪の上では自由に通行できるので(もちろんラッセルは必要になるが)、夏なら藪で近づけもしない場所にある複雑な地形を確認したり、それとコンパスを組み合わせるナヴィゲーションの楽しさがどこでも味わえるのがうれしい。
 仕事ではあっても、直接学生の面倒を見る講師ではないので、気楽なものだ。いざとなればスーパーマンぶりを発揮する本部の山男たちも、トラブルがないので、いたってくつろぎモードであった。副主任のTさんは 、学生と話しを交わすでもなく、講師に指示を出す訳でもなく、やったことと言えば前日から手製のきりたんぽを準備して、山頂の夕食にし、スタッフを終始和ませたことくらいだ。
 そのゆとりこそが、安全の源の一つでもある。

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▲夕食は、なんときりたんぽ鍋。

このゆとりが講習の安心感にもつながる。

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2010/03/08

iPhone

一つ前の書き込みのコメントにあったが、読図講習最終回の実技でiPhoneを持ってきた人がいた。いく途中で、宮内とそんなiPhoneが使えるらしいといううわさ話をしていたので、之幸いと、講習途中に何度となく覗かせてもらった。ソフトのダウンロード費用が一回限りで400円弱(?)、地図はキャッシュされているのかな?圏外でも表示はできるようだった。等高線のデフォルメはややきついが、ちゃんと地形が表示されている。地形が読めれば、ナヴィゲーションにも十分使えそうだった。

iPhoneもっている人なら、単体のGPSよりもいいかも。

http://llcamper.seesaa.net/

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2010/03/04

朝日カルチャー最終回

1月から始まった朝日カルチャーの最終回、屋外実技を秦野弘法山で行った。

数日前には雨予報だったが、2日前から、最低半日は晴れる可能性が出て、天気図とにらめっこしながら、前日昼に決行を決断。結果としては、講習がちょうど終わる15時から小雨が降り出したが、講習自体は無事終了した。

 一緒にあれこれ話ながら歩いていると地図や周囲を見てくれるんだけど、最後に仕上げとして一人で歩いてもらうと、みんなすたすたいってしまう。途中にフラッグをつけておいても、「あったあった」で済ませて、何も考えずに通過してしまう人が多い。そんな人を呼び止め、「ほんとにここで合っています?そう考える根拠はちゃんとありますか?」と問いつめるのも、講師の重要な仕事だ。この人のように、一人になっても、じっくり地図を見てくれると、もっと上達も早いのにな。

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 先日ドット・コンパスから買ったマイクロレーサーも試してもらった。使いやすいと評判だった。マイクロレーサーは、今やネットショップでしか買えないが、今シーズンからエバニューが輸入を始め、店頭か注文で手に入るようになるかもしれない。

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