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2010/02/08

生殖戦略

 週末の2月7日は愛知県岡崎で普及講習会の講師をしてきた。人口減を指摘されて久しいオリエンテーリングだが、普及の努力をやれるだけやっているかというと、これもまた怪しい。このような研修会に参加する人は熱心なオリエンティアであることは間違いない。それでも「過去1年間に一回でも他人をオリエンテーリングに誘ったこと/そのような機会を作ったことがない人」は4割もいる。また、近年の普及の方法やバリエーションについては意外と知られていなかった。未経験者を勧誘しなければ、人口増加はありえない。TVに映る事も少なく、またプレーを見ることのできないオリエンテーリングではなおさらである。裏を返せば、オリエンテーリングの将来を考える人が、少しづつでも普及に意識を向け、一人一人が「営業マン」として未経験者を勧誘し、またそのための方法を身につけるならば、オリエンテーリングにはまだまだ拡大の余地があると言えるだろう。
 参加者の自己紹介の中で気に入ったのは、「人間種を保存していくためには食欲と性欲が必要だ。普及はいわば性欲のようなもの。最近オリエンテーリングも成熟したのか、ようやく性欲が出てきた」というもの。かつて、私も普及戦略を生物の生殖戦略になぞらえて考えたことがあるが、普及とは全く種の保存、そのためにはせっせと「子づくり」に励まなければならないのだ。
 もちろん、生んだ子どもをどう育てるかという視点も重要だ。生物には基本的には二つの戦略がある。魚類のように、100万個も卵を生むが、そのうち大人の個体になるのはほんの一握りという生物種もあれば、人間のように2人くらいしか生まないが、手厚い保護によってその2人を確実に育てるという生物種もいる。もちろん、その中間に様々なバリエーションがある。昨年の秋は、多くのイベントによって(まあオリエンテーリングじゃないものが多いが)相当数の産卵には貢献したと思う。そうして生まれた子どもたちを育てる方にも目を向けねばなるまい。

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