« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »

2009/12/31

スントM9(コンパス)

 都内のあるスポーツ屋で、スントのM9を見た。日本では珍しいリスト(手首)にバンドではめるタイプのコンパスで、しかも羅針盤的な円盤状の方位盤がカプセルの中で回転するタイプだった。
 珍しいので、さっそく手に取ってみた。ところが、円盤の動きが少しおかしい。どこかにストッパーがついているのかと思ってみてしまうほど、ぎこちない動きをし、しかも北を指さずに止まってしまうこともある。他の製品も見てみたが、同じように動くので、個別の製品の問題ではないようだ。裏を見ると、たぶん伏角の修正のためにつけられているおもりがかなり南側に偏っている。実際、方位を示す円盤は少しばかり北があがっていて水平ではない。従ってカプセルを水平にすると、どうやら円盤がひっかかって北以外の方向を向いて止まりやすいようだ。試しにカプセルを少し南に傾けてやると、円盤はスムースに回る。
 仕様としては他にない特徴を持っているし、価格も適当なだけにもったいない。もしこのコンパスを持っている人がいたら、方位盤の動きのくせを熟知し、間違って北でない方向を向いた状態で使うことのないように、くれぐれも注意してほしい。

(なお、スントM9はコンパスとリストップコンピュータの両方があるが、ここで指摘しているのはコンパスの方である)。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009/12/28

楽しい

JWOC合宿では、1日目はコーチングに徹した。そのコーチングも静かにしようと思っていたのだが、彼らのオリエンテーリングを見、コメントしているうちに知らず知らずのうちに雄弁になる。それもたぶん、彼らに将来性を感じればこそなのだろう。

 技術的なポイントをあれこれしゃべっているうちに、自分でも走りたくなってしまった。2日目のダウンヒルコントロールピッキング、サーキットを走る。サーキットのうち1本は、スピーキングO(自分の頭と目が何を見、考えているかを実況中継しながらのオリエンテーリング)。6人ほどが観察者となる。スピーキングOは、見られているというほどよい緊張感、自分の思考内容を言語化するという行為が、心身ともにシャープにしてくれる。

 3ヶ月ぶりのオリエンテーリングだったが、自分でも納得できるほどの切れ味のいいオリエンテーリングができた。ひょっとしてうまくなったんじゃない!?

 15年くらいまえに、先輩教官が、「スキーは70歳になってもうまくなるんです!」と言っていたことを思い出した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

JWOC(ジュニア世界選手権)合宿

 夏に引き続き、JWOC(ジュニア世界選手権)の合宿のスタッフになった。参加者の多くは高校生だ。なんとなくオリエンテーリングはできているが、地図読み、手続きともに確実にできているわけではない。日本のテレインではそつなくできていても、少し難しいコースやテレインにいくと簡単に破綻する。なまじできているだけに、基礎的なことを再構築するのは結構難しい。
 この日もビデオを撮り、しつこく、「ここでなぜ止まった?」「今地図でなにを見た?」、と、一つ一つの行動の理由を探っていく。細かい行動に確認とだめだしをする。
 最後は、このシーズンのレースを振り返って、KJ法で課題の整理。個々のレースアナリシスはやっているようだが、それを集合的に振り返る習慣を持っている選手は皆無だった。まあ、学校でそんなことは教えないから、身についていなのだが、だからこそスポーツを通して身につけてほしいとも思う。20分ほど課題を具体的に書き出し、その後コーチとディスカッションしながら、その課題を集約し、明日以降の練習に備える。具体的な問題点を洗い出し見ると、人によっては複雑な問題を抱えていることも視覚的に整理できるとともに、問題を解きほぐす手がかりも得られる。
 僕が全日本を15連覇し、自分も周囲もあまりおめでたいとは感じられなくなっていたころ、スイスの友人が「おまえは教育学部にいるのだから、限られたリソースで最大限の結果を挙げたノウハウを若い人たちに伝えることを希望している」とお祝いのメッセージをくれた。最近、少しづつ彼の期待に応えられるようになってきた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/12/22

イベント終了

秋からの冬にかけて怒濤のように続いていたイベントも、有度山で一段落。昨年度はトレランの150名定員はいっぱいにならなかったが、今年はビラが完成するころにはトレランはもういっぱいだった。静岡県民の割合も、確認はしていないが増えたようだ。こういう人たちに、トレランの多様な側面を知ってもらう一助になればと思う。

 やや気になるのは、トレランとロゲイニングの参加者のオーバーラップが少ない点だ(これもまだ未確認で、感触だが)。二日間やっているのは、せっかくだからクロスオーバーしようよ、という僕なりのメッセージなのだが、もう少し仕掛けが必要なのかもしれない。

 ロゲイニングの参加は約200名。他のロゲイニング同様、オリエンティアよりも一般のアウトドアアスリート、そして市街地での開催という特徴上か、家族が多い。このあたりは嬉しいところだ。それぞれが他の参加者に触発される部分があれば、なお嬉しい。

 一般の人へのロゲイニング人気は、ある意味オリエンテーリングの原点回帰の重要性を物語っている。それが単に原点に戻ることではなく、螺旋状に一段階あがって、志向性として同じ位置にあるというところに現在のロゲイニング普及の意味があるように思うのだが、この状況を積極的に活用するためにももう少し仕組みが必要なのかもしれない。

Simg_4405

有度山を走る女子トップ選手のチーム

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/12/16

究極のコンパス!?

 コンパスの使い方の中でもっともシンプルかつ強力な方法が正置だが、一般の人に正置を教えてみると、それが案外難しいものであることがわかる。「磁針を磁北線と平行にすればいいんです。」これ以上簡単なことはないように思うが、少なくない人がまずコンパスを回し、いつまでたっても正置ができないという状態に陥る。 磁石を現在地の上に載せてしまい、いざ次のステップの地図読みに移ろうとすると、よく見えずに苦労する人もいる。正置はできたが、次になにをしていいか分からず呆然としてしまったりする光景もよく見る。登山者の多くが持つベースプレートコンパスでは、リングやノースマーク、プレートなど、いじれる場所がたくさんある。これもコンパスを使いにくくしている大きな元凶である。磁針を磁北線と平行にしただけでは気が済まないらしく、プレートをあれこれいじったり、リングを回そうとしてしまう。 プレートもリングも何にもないコンパスがあれば、磁針と磁北線を平行にするしかやることがないので、もっとうまくコンパスを扱えるのではないか?講習をやるたびにそう思ってきた。 そんな話を.com/passの落合志保子さんに話したら出てきたのが、これ。シルバ社の「マイクロレーサー」。親指につけるサムコンパスで、見事なぐらい何にもない。もともとは子ども用ということだが、コンパスの複雑な機能に悩まされている大人にもいいのではないかと思う。今度の読図講習ではぜひ実験してみたい。トレランや登山にもばっちりだと思う。

Img_2699 

コンパスショップ。.com/passはこちら

http://www.orienteering.com/pass/

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009/12/11

早くも師走

師走どころか11月はほぼ毎週のようにあるイベントで突っ走ってきた。気づいたら、富嶽周回ももう一月近くも前のこと。富嶽、朝霧と大きなイベント二つが終わったが、今週は日本平でのミニオリエンテーリング大会。片手間気分で準備していたが、それでも40人近い参加があり、京都・神奈川からも申し込みがあったのには驚いた。大人の休日倶楽部で飯能に泊まった日も、ホテルで地図を書き続け、帰りの新幹線でも記号定義を変更し、なんとか木曜日には地図も仕上がった。

 こんな怒濤の日々が乗り切れたのも優秀で熱意ある人々に囲まれたからだ。カレーうどんのなおさんはそれを「村越チルドレン」と呼ぶ。

 来週は、有度山トレイル三昧で、今年の行事は終わり。ようやく穏やかな日々が訪れるのだろうか?この自転車操業状態が懐かしくなりそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »