リーマン予想
オイラーは素数の研究に没頭したが、その理由は素数と世界の成り立ちの間にはなんらかの関係があるはずだという直感からだった。しかし、実際には素数の出現には規則性がなんら感じられず、両者の関係に懐疑的な考えが当時は支配的であった。それを一変させたのが素数によって作られる数式の極限(?)が無理数である円周率パイの簡単な式と等価であるという発見であった。その後素数の数式によって定義されるゼータ関数の自明でない解の間隔を表わすであろう数式が、原子核の取り得るエネルギーを表わす数式(記憶不明確)と酷似していることが、プリンストンでの午後のお茶の時間の物理学者と数学者の何気ない会話から発見された。素数と物質の成り立ちに関係がある可能性が初めて、間接的ながら示されたことになる。
オイラーがそこまで予想していたとは思えないから、オイラーの探求の端緒は直感であったに過ぎない。その直感は、真実というよりは多分に「世界はこうあるべき」という信念に基づいたものだと思われる。科学的な発見の背後に、オカルティックな信念があることが興味深い。これが、15日のNHKスペシャルでやっていたリーマン予想についての番組である。
素数の話しだから、ヴィジュアルに見せるものなどほとんどない。しかし、理論の進展の舞台裏を語る数学者たちの話しぶりが、僕らが萌え地形を語り、オタクがアニメキャラを語る時のように、高揚感に満ちている。そんな様子を見るだけでも十分に価値があった。こんな渋い番組を放送するだけでもNHKの存在価値がある。もちろん、海外の放送局が作成したものではあるが・・・
(記憶が不鮮明で、一部不正確な記述があります)
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