里山ハイライト
120kmノンストップ。本格的アドベンチャーレースである伊豆アドがなくなった今、里山は日本のトップグループのイーストウィンドのフラッグシップとなった。その分、気合いの入った容赦のないコースが提供される。マーケッティング的にはどうなの?という声も大きいが、どんな順位だろうと完走のロマンを感じられる数少ない大会である。
(なお、地図については、http://www.tana.to/gps/を参照ください)
●CP5
ラフティングセクションから二つめのCP5はMTBセクション前半のCPで、地形図で見るからに「上州の山」という感じの独特の偉容を誇る。レースブックによれば、林道に登山道の入り口の道標があるという。地図を見た時、途中まではきれいに尾根が張り出ているが、その先の壁のような急斜面からどうやって登れるのだろうと宮内と不思議がったが、レースブックを見て、「そうか、登山道が、この尾根の延長線上についているんだね」と納得。
林道を進むと、ピンクの誘導テープがある。それを見て、「道標ないね」なんていいながら、尾根にあがれることを喜んで、林道をたどった。確かに林道は尾根にあがっているが、それ以上先は絶壁というところまでいっても登山道の痕跡は無かった。林内はきれいで通行できそうだった。とにかく尾根に登ろう。そう結論して道のない入りやすい場所を詰めていった。地図で張り出した尾根の部分までは順調だった。
急斜面の部分まで来て唖然とした。正面両側は森の中の岩崖、そのさらに東は木さえ生えない絶壁で、西は深い谷になっていた。マウンテンバイクを持ってあがれるとはとても思えなかった。
二つの崖の間にあるちょっとしたくぼんだ斜面を見ると、獣道がきれいについている。それは、崖の間で少し右に曲がっていて、その延長線上を見ると、そこだけ岩が棚のようになっていた。あそこをトラバースできるのかも?目で追って、シミュレーションをする。可能性はありそうだった。実際、行ってみると「落ちたらやばい」けれど、自転車を持ってもやばいとは実感しない程度の岩場であった。宮内のMTBを手伝って、無事通過。
主催者が想定したのは、実際には林道をもっと奥までたどり、そこから登山道をたどるルートだった。この斜面は下見はしたが、「無理だろう」、と思ったという。GPSトラッキングを行なっていた主催者は、固唾をのんで僕らの行動を見守っていたことだろう。自分たちが「無理だ」と思う斜面にトップチームが引き込まれていく。敗退するのか、それとも困難を乗り越えるのか?GPSのマーカーは一時止まり、「滑落でもしたか!?」と思われたらしい。リザルトに書かれた「CP5の直登はお見事」が、彼らの興奮を物語っている。
(続く:予定)
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コメント
初めまして。
記事を拝見しているだけで、壮絶な感じが伝わってきます。
続きも是非読みたいので、更新楽しみにしていますね!
また寄らせてもらいます。
投稿: あさひ自転車 | 2009/10/17 01:27
訪問ありがとうございます。
ハイライト(2)を掲載しました。
投稿: shin | 2009/10/19 09:08