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2009/09/02

トレランのインパクトを測る

 アウトドアで行われるスポーツが新しく生まれ、人気が出ると、必ずといっていいほどバッシングが起こる。トレランも例外ではない。環境へのインパクトや登山者のコンフリクトなど、論点は様々である。確かMTBがはやり始めた時も同じような議論があったような。
 登山者とのコンフリクトは社会的な問題や感情論もあるので、なかなか難しいが、自然へのインパクトはどうなのだろう?山と渓谷誌だったかに、田中正人が「登山の方が重量は重いし、インパクトは大きいのでは?」みたいなことは書いていたように思う。三河高原のように、全く道のないような場所ならともかく、登山者に長年使われてきた固まった道なら、インパクトは無視できる程度ではないのだろうか?
 そんな議論をするのにも、全くといっていいほど科学的証拠がない。トレランをする側はもちろん、反対する側だって、自然環境へのインパクトは証拠を持っていない。これでは、最終的には感情や好みが議論のベースになってしまから、まともな議論などできっこない。
 今回の朝霧では、せっかく県からの助成も受け、自然環境に詳しい他の研究チームとも知り合いに慣れたので、アドバイスをもらい、インパクトの指標として土壌の硬度を測ることにした。土壌の硬度が大きくなれば、特定の植物しか生えなくなる。土壌の硬度は、写真のような用具で、比較的簡単に測れるようだ。それと実際に植生がどのくらい変わるのかを、写真のレベルだが比較検討することにした。
 そのトレランまであと4日。

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コメント

まったく難しい問題ですが、無視できないことです。
以前、群馬県の自然環境課の人に、登山道の土の硬度の調査結果を見せられたことがあります。
しかし、登山道自体に植物が生える必要があるのでしょうか?逆に硬く締まったほうが道が安定して良いのではないでしょうか。
これは、それぞれの場所に応じたケースバイケースの事情が絡む問題もあるかと思いますが、一元的に物事を捉えるのは危険だと思ったことがあります。

投稿: 田中正人 | 2009/09/06 23:27

 登山道の上だけでなく、その周囲(ふみ跡はないが、草地になっているところ)も測ってみました。そういう場所は普段は人が通らないが、もし硬度が大きくなったり、草が変えていたら、トレランのインパクトがあったと言えるでしょう。
 また、もしトレランの前後で、土壌の硬度に変化がないとしたらどうでしょう?土壌へのインパクトという点ではほとんどないと言えるでしょう。そういうデータすらないのが現状なので、それを確かめてみたいのです。
 ちなみに、今日、レース後の測定をしました。詳しい結果分析とその解釈はこれからですが、土壌硬度という点ではほとんどインパクトはなく、草の生え方という点でもインパクトがないようにみえました。
 

投稿: shin | 2009/09/07 13:19

大会運営お疲れ様でした。
土壌硬度測定の結果も楽しみにしています。
自然の保全と活用は難しい問題です。
環境収容力(キャリング・キャパシティ)という概念があって、そこでの指標の決め方が重要です。収容力を上げたければ道幅を広く取ったり、木道を設置する必要があるかもしれません。収容力を上げたくないならば厳しい指標を設定することになると思います。要は、指標はそこにある自然に関係する人たちが決める必要があるということです。地元の人が地域振興のために収容力を上げたいとか、この場所だけは守りたいとか議論して地域の合意形成で決められるべきものと思います。なので環境測定の結果をどう議論するかが今後の課題になるんだと思います。これからは、そうした計測データをどう解釈するかで議論ができると進展があるように思います。多くのトレランレースでいろいろな計測が実施されると良いですね。先駆けになるように期待しています。

投稿: 田中正人 | 2009/09/07 15:57

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