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2009/08/13

秘境 奥大井

■秘境奥大井
 8/9日から、大井川の源流の一つ三伏峠から、南アルプスの主稜線を、茶臼岳まで下り、井川に降りてきた。普通なら、ここからバスで直接静岡に帰るところだが、今回はかつての鉄ちゃんぶりを発揮して、日本唯一のアプト式鉄道に乗り、大井川鐵道のSL列車に乗って、金谷まで降りてきた。
 こうして様々な移動手段を駆使して、大井川の流域をほぼ上から下まで下ってみると、改めてその流域の特異性が実感できると同時に、こんな身近に秘境とも言えるエリアがあったことに改めて驚かされる。
 畑薙ダムより上の流域は静岡市の面積の相当量を占めるが、全て東海パルプの社有地である。その中心には、関連会社である東海フォレストが経営する山小屋があるが、そこに泊まると歩けば数時間かかる林道をリムジンで送り迎えしてくれる。最近でこそ、便利な登山道が開かれるようになったが、それまでは、東海フォレストのリムジンが数少ない南アルプス中央部へのルートであり、その不便さには定評があった。今でも、南アルプス南部というと、不便で入りにくいというイメージがある。
 このエリアの残り半分の山小屋は井川観光協会によって運営されている。今年、その観光協会が聖岳入り口までのバスの無料運行を始めた。対抗心なのか、山里の地域振興の切り札なのか、その背後にある思いは複雑なようだ。このバスの利用は井川観光協会の小屋に泊まることが条件だが、これによって南アルプス南部へのアクセスがより便利になることは間違いない。今年の状況を見て来年の運行が決まるというが、残念なことに天候不順やPR不足もあって、利用者は伸びていないとか。
 世界遺産にも登録しようという南アルプスは、訪れる人が少ないのが魅力だが、大井川を源流から下流まで移動し、その魅力に触れると、それを少しでも多くの人に味わってほしいとも思う。是非ともこの試みが来年も続いてほしい。
<バスの運行は9/23まで。詳しくは井川観光協会>
(南アルプス山行については、追ってレポート予定)

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