21年オヤジ
聖兎のコルから聖への登りはかなりの急傾斜だった。21年前、悪天候の中聖岳で断念し、聖平に戻ったのは正解だった。そんなことを思いながら聖岳に登ると、山頂は21年前と同じように霧の中だった。聖の名前の由来になった奥聖に行く気にもなれず、そのまま一気に聖平に下った。
聖平小屋への三叉路には立派な道標が立ち、聖小屋への道はきれいな木道になっていた。こんな分かりやすい分岐でも道に迷う人がいるらしい。小河内の南岳まで登ってしまった人もいるとか、聖平小屋のあるじが嘆いていた。
21年もたてば当然のことだが、廃墟のようだった聖平小屋はうそのように綺麗な建物になっていた。愛想のいい小屋番のあるじが、気持ちよく小屋に迎え入れてくれた。
奇しくも僕らがテントを張った場所が、昔の小屋があった場所だという。
聖平は今日も雨
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