久しぶりの合宿
来年に向けてのJWOC(ジュニア世界選手権)の合宿に出かけた。オリエンテーリングの合宿と名の付くものにでかけるのは本当に久しぶりだ。元はとはと言えば、この夏JWOCに帯同した国沢が、向こうでの惨々たる状況に「なんとかしなければいけない」という思いで始めたものだ。遠征から帰ってきてほぼ1ヶ月、直前2週間に召集したわりには20名ちかいジュニアが集まった。まずはその意気込みは買いたい。
高校生が半数、大学1,2年あたりが半分といった構成で、主旨からしても同年代のオリエンティアの中ではトップ集団といってもいい存在だが、最初のポイントオリエンテーリングの1番コントロールでビデオをとっていて、その技術の頼りなさに唖然とした。
確かにその年代のトップだけあって、うまい。起用にこなしている。しかし、プランは出来ていない、その危うささえ意識できていない。そのため、コントロールのそばでフラッグが見えないと、すぐに破綻して動き回る。地図を読むことによって有用な情報を読み取ろうという意識も少ないので、なんとなく地図を見ている。これじゃあ、大きな舞台で破綻するのは当然だ。
分そんな事だろうと思って、ビデオを撮って夜のミーティングで見せた。仮にもスポーツの日本代表で、自分のプレーをビデオで見て分析したことのない選手がジュニアと言えどもあるだろうか?その当たり前のことから始めたいと思ったからだ。
撮ったビデオを見せながら、「どうしてここでその動きをしたの?」と、ちょっとした方向変換につっこみを入れ、「このアタックでこのラインを走ったのはなぜ?」と、たかだか15mくらいの距離のライン取りの理由を執拗に質問した。彼らにしてみれば、自分のプレーをビデオにとってもらったことはあったかもしれないが、これだけ、些細な動きに「なぜ?」「どんな意味があるの?」と聞かれたことは、インパクトがあったに違いない。
それで彼らがすぐうまくなるとは思っていない。しかし、強くなるためにどんな発想法を持たなければならないか、何をどこまでしなければならないかについては、きっと何かが伝わったはずだ。世界選手権から帰ってきた選手は、よく彼我の距離の大きさを「絶望的」なもののように形容する。しかし、その距離はこんな些細なことの積み重ねからできている。まずはそこに気づくことが、その距離を掌中に収めるためには必要だ。
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