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2009/02/23

もう一つの冥土のみやげ

 正直今年に入ってからの2月は、払っても払っても降りかかる火の粉の中を逃げる火事場のような日々だった。一つ一つの仕事を引き受けた時は、「楽勝!」「楽しみ!」と思っていても、いつの間にか集まる時には仕事が集まる。1月末にはとうとう3日間も雑誌原稿の締め切りを破ってしまった。ここ数年なかったことだ。
 スキーOの世界選手権は、人事も資材も日々更新される。それらのメールに対応しているだけで終わってしまった一日もある。2005年に森の中で感じた様々な苦労とは違う苦労は、辛くもあったが、新鮮でもあった。2年前だったらとても精神的に耐えられなかっただろうと思うと、そんな辛い日々も自分の健康のバロメーターのように思えてくる。
 その世界選手権もあと2週間もすれば終わってしまう。ウクライナのユリアが2007年の世界選手権の後言っていたように、「あの戦場のような日々が懐かしい」と思う日すぐそこまで迫っていると思うと、残りの日々がいとおしくもある。スタッフも金も足りないなか、とにかくここまでやってきたのだ。どんなに疲れていても、ルスツに入れば、目の前にいる選手たちが、気持ちを引き上げてくれるだろう。そんな日が現実感を伴って間近にやってきた。
 2005年の世界選手権の最後の晩のミーティングで、役員を前に「(『世界選手権の時には私たち70越えているんですよ』というI夫妻に、『冥土のみやげだと思って世界選手権運営しましょうよ』と誘ったが)もう一度世界選手権が来る20年後には、僕だって一線で仕事をしているとも思えないので、これが僕にとっても冥土のみやげと思って運営します」と宣言したが、それからたった4年で、もう一つの冥土のみやげができる。

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