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2008/09/16

公開講座「安全登山のための読図講習」

 先週末は、大学の公開講座の一貫で、表題の講習を行った。大学はもともと外部へのPRがあまり上手でないので、どれだけ人が集まるかかなり不安だった。全講座を網羅した立派なパンフレットを作成しているが、こんなの見てくる人いるわけないだろ、もっと登山用品店とかで広報しないと・・・。そう思って自分で単独のビラを作って、登山用品店においてもらったりもした。
 ふたを開けてみたら、8月下旬にはすでに定員の20名に達しており、その日に新聞に掲載されたので、仕方なくその日に申し込みのあった4名を含めて24人の受講となった。さらに驚いたのは、アンケートをとってみると、公開講座の冊子・ポスターを見てきた人が40%近くもいたことだ。世の中にはこういうものに目を通している人がいるのだと改めて感じた。好日山荘の講習でも、毎回屋内はだいたいいっぱいになるが、屋外はやや飽和気味であることを考えると、別のターゲット層にヒットしたということだろう。低下したとは言え、地方における国立大学法人のネームバリューもあるに違いない。勉強になった。
 用具を写真を充実させることで、地図記号と等高線の学習はかなりこなれてきたと、自分でも思う。ただ、等高線に関しては、細かく読むことも大事だが、大きな尾根・谷を大雑把にとらえることをもっと強調した方がよい。原理はわかっても、実際フィールドにでると、小さい尾根・谷はわからないので、大づかみにする必要があるからだ。こうなると、練習とともに、センスが必要な部分だろう。細かい把握と大雑把な把握を対比させる教材準備も必要だ。
 もう一つの問題はコンパスの使い方、とりわけ整置だ。これは何度やっても、指導法が進化した気がしない。機械的に整置を覚えてもらうことはできるのだが、プレートやリング内の線に混乱する、実地に出ても応用できない。視線の使い方や、地図・身体・現地の3者関係など、身体性の問題も絡んでくるので、一朝一夕には学習できないのは仕方ないとして、もっと学習者の認識に寄り添った教授法を検討する必要があるだろう。ひょっとするとプレートコンパスを使うこと自体問題なのかもしれない。

P9100365

今回はこんな山をつくってみた

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