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2008/07/21

チェコ便り総集編

 チェコ最後の晩は、プラハに泊った。11時30分発の飛行機に間に合う列車はオロモッツからもあるが、オムロッツに出るの手段がない。夜行列車は身体にきつい。せっかくだから28年ぶりにプラハの街を少しでも見てみたいという気持ちもあった。プラハ市街の様子も、公共交通の様子もだいぶ分かったので、今度は中央駅のそばに宿を取った。トラムもメトロも充実しているから、空港にいくのは簡単なはずだ。
 今度も、日本のサイトで予約した。さすがに旧市街は60ユーロ以下のホテルはなかったが、旧市街を少し離れると40ユーロくらいのホテルもいくつか見つかった。まったく、この国の物価システムは理解できないことの連続だった。食費は安い。毎日ホテルのレストランで食事をしたが、ビールを飲んでも1000円ちょっとで事足りた。空港から、市街地の真ん中にあるホテルまではタクシーで400コロナもした(1コロナ7円くらいか?)のに、プラハからオロモッツまでの250kmの鉄道は、たったの308コロナだ。食費は安いが本は高い。この国の学生は勉強するのに支障ないのだろうかと、職業柄考えてしまった。
 宿の近くの食堂でビールを飲んで、夕食を取った。チェコは元々ボヘミアとモラビアという二つの地域から構成されており、オムロッツがあるのはモラビアだ。ここボヘミアに戻ってきて、楽しみにしていたピルズナー・ウルケルを初めて飲み、いかにもチェコ料理らしい食事を注文した。今度チェコにやってくるのは、いったい何年後になるだろうか。
 初めてヨーロッパに来た28年前、次の年に日本代表として世界選手権に来ることは疑いもしなかった。けれども、その後ほぼ毎年のようにヨーロッパに来ることは、想像力の限界を超えていた。ましてや、自分がこれほど深くオリエンテーリングの歴史に関わり、伝説上の人物たちと同じように、その記録の中に残るとは。しかも、それはたかだかこの10年ばかりの出来事なのだ。だとすれば、これから先、どんなことでも起こりえるだろう。食堂からの帰り道、20年前の自分に戻ったような気分で宿まで歩いて帰った。チェコも、自分と世界との関係も随分と変わってしまったが、自分だけはちっとも変わっていないようだ。

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