チェコ便り(2)
プラハから、オロムッツに移動した。郊外にあるホテルから中央駅まで、距離は近いがトラムからメトロ2本を乗り継いで向かう。驚いたことに、トラムは寸分の違いなく時間表通りに動いていた。絶対並んでいると思っていた鉄道の切符の窓口も、少しも待たずに簡単に切符が買えた。そんなことに驚いているのは、17年ぶりにやってきた僕くらいなのかもしれない。
市街地の複雑な路線をゆっくりと抜けていくのがヨーロッパの鉄道らしい。中部ヨーロッパの鉄道で長距離移動をするのも6年ぶりで、若いころの遠征を思い出させる。今はこうしてワープロを打っているが、25年前の僕は、いったいヨーロッパの列車の長旅をどうやって過ごしていたのだろう。性格的にはちっとも変わらない僕が、25年前、ただ車窓をぼんやり眺めていたとは思えないのだが。
昼すぎに着いたオムロッツの街は、若い旅行者であふれていた。ブリテンの小さな地図とトラムの路線図を長い間見比べて、イベントセンターにいくには、2番か7番のトラムに乗ればいいことが分かる。イベントセンターがある大学の寮は、トラムの終点からすぐに見つかった。建物はたくさんあったが、大きなフラッグが掲げてあるので、オフィスの場所もすぐ分かった。オフィスに向かって歩く途中に、食堂を見つけた。今日は夕方までここにいて、そのまま開会式にいくことになるだろうから、腹ごしらえをしておこう。
そう思ってカフェテリアの列に並ぶが、チケットがいるという。食事をしていたルーマニアのフェイに、どうやってチケットを手に入れるかを聞くと、前日にイベントオフィスで買うことになっているらしい。昼飯は食いそびれか!そう思っていると、フェイと話しをしていたイギリスの女性オフィシャルが、「チケットいるの?余っているからあげるわ」といって、くしゃくしゃのチケットを差し出してくれた。
オリエンテーリングの世界は、決して情に濃い世界ではない(ヨーロッパだからなおさらなのだが)が、自分が積極的に一歩を踏み出せば、必要とするものは誰かが差し出してくれる。これまでオリエンテーリングの世界で何度も経験してきたことだ。
▲開会式で行進する日本チーム。
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