チェコ便り(7)
2013年のフィンランドの世界選手権招致のためにやってきたフィンランド人たちは強敵だった。90年代のエリートもわんさか出場し、VIPレースは「優勝すれば世界選手権の予選通過も間違いなし」くらいのハイレベルの争いになった。宿敵ミッコにはまたしてもやられてしまった。けれど、勝敗をパーソナルに語れる関係ができれば、そこからまた新しいモティベーションが生まれる。それは世界選手権レベルで走っていても、VIPレースレベルで走っていても同じことのように思える。だからこそ、マスターズは3000人を越える人々を集め続けているのではないだろうか。
2013年の招致チームが主催したレセプションは、ミッコのスピーチはエンターテイメントだったが、それ以上に世界選手権を招致するブオカッティという場所は興味深かった。日本の複合、ジャンプチームもしばしば合宿をするスポーツセンターがあるロシア国境に近い街だが、「周囲には何もない」。あるのは豊かな自然、そして最高のスポーツファシリティー、居心地のよい宿泊施設である。クロカンスキーヤーには有名なスキートンネル、つまりは屋内スキー場がある。一年中クロスカントリースキーができるのだ。
日本でも、国立のスポーツセンターが作られた。確かに最新の設備を誇るが、東京のど真ん中。便利で隔離された空間では、強くなることはできるかもしれないが、最後の瞬間に踏ん張れるタフさは身に付かないのではないだろうか。また、自然の中にもコーチや選手自身も予期しなかったようなインスピレーションを受ける瞬間がある。都市にはないリラックス感もある。そういう環境がモティベーションにもつながることもある。2013年にはぜひ行ってみたいが、その前に自分自身で訪れ、そのインスピレーションを感じてみたい。
▲今年もフィンランドのミッコ(連盟事務局長)には1分の敗退。こうやって勝敗を語る仲になることも、モティベーションの一つとなる。
WOC2013のプレゼンテーションの様子は、http://homepage2.nifty.com/navi-and-map/WOC2008.htmにも。
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