圧死
昨年秋から、緊急地震速報が一般にも提供されるようになった。これは地震の波の伝わる速さが電気的な信号の伝達速度より遅いことを利用し、震源近くで地震を感知し、遠く離れたところに、実際の地震波が伝わる前に地震の到来を知らせるシステムである。最近では石垣での地震ではじめて一般に伝達された。
地震防災の研究をしている同僚と一緒に、この地震速報が本当に待避行動を促進するかどうかを検証している。確かに実際の揺れの前に地震の到来がわかれば、揺れる前に机の下等に避難する余裕ができる。しかし、それは地震速報というものの意味を理解していること、避難行動を知っていること、避難の必要性を認知してすぐに行動を起こせることといういくつものハードルをくぐってはじめて効果を発揮する。
昨年も同様の実験を行なったところ、速報があったにも関わらず半数以上の人が「圧死」した。今年も「圧死者」は続いている。危険性を伝え適切な行動を導くことは難しい。オリエンテーリングでも同じことはいえそうだ。
地震とともに後ろから倒れてきたタンスによって「圧死」
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