フィンランドの学校
2003年に国際学力テストでフィンランドが1位になってから、フィンランドの教育は日本の教育界こぞっての注目を集めている。一応教育学部に籍を置く身として、せっかくフィンランドに何度も来ているので、学校を見ておこうと思った。2005年の日本チームのコーチをして親しいイーキスに頼んで学校見学をアレンジした。彼の奥さんは今は出産休暇だが、その彼女が勤めていた学校を見せてもらえることになった。
ヘルシンキの西郊の6クラスしかない小さな学校で、フィンランドでもそんな学校ばかりではないようだが、とにかくこじんまりしたところが落ち着いていていい。何より驚いたのは教室と子どもたちの静かさだ。クラスサイズが小さい(低学年で15前後、中学年でも20を少し越えるくらい。日本の学級上限が40だというと、タルは「へー、大変」といっていた。その日は、祖父母に学校を見学してもらう日だったせいもあるかもしれないが、僕が入っても騒ぐでもなく、もっと驚いたのは、授業中だというのに、先生と久しぶりに学校に現れたタルがごく普通の大人同士が久しぶりにあったような会話をしている最中も、クラスが全然ざわつかないことだった。
もっとも、これは学校に限ったことではないのかもしれない。ヘルシンキのバンタ空港に着くと、成田とは同じ首都の空港だとは思えない静けさに満ちあふれている。もちろん、教員の統制がうまくとれないクラスも日本と同じようにあるとは言う。
クラスサイズを小さくすることは、教育効果を上げる上では重要だと思うが、そもそも国民性や文化からして違うので、あって、学校教育の違いもその反映の一つだと思える。
だいたい国を挙げて「フィンランドを見習おう」みたいなブームを起こしているうちは、絶対にフィンランドみたいな教育はできないと思った。
小さなクラスサイズで、こじんまり静かに行なわれているフィンランドの学校の授業
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