忘れ物
表彰式後のインタビューというのは、たいていの場合凡庸でつまらないものだが、語り手に語るべきものがある時には、どんなつまらない質問でも、胸を打つものがある。昨日の全日本選手権の優勝者カッシーのインタビューもそうだった。
「自分はもう終わった選手だ」そう思ったこともあるが、「2005年に忘れものをした」そして、世界選手権にも「予選通過という忘れ物がある」。その忘れ物を探しに、彼は今年背水の陣で臨んだ。連覇というプレッシャーの中、翌年はすでに全日本のプランナーに名乗りを挙げ、実際に仕事も始めている。来年はない、そうやって退路を絶った中で、彼は見事に史上3人目の全日本での連覇を成し遂げた。
僕が、ノルウェーで世界選手権最高の思い出を作ったのは37歳。彼が忘れ物を見つけるチャンスは十分にある。
チャンピオンが選手権に臨む直前の心境も、読み応えがある。
表彰後のインタビューで、「世界選手権での忘れ物を探しにいきたい」と語るカッシー
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