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2008/01/11

チームバチスタの栄光

 暮れから正月にかけては、ランニング三昧という訳にはいかなかったが、読書と書書三昧で過ごした。書き物の方は、歳が明けて大学の仕事が始まれば、入試の仕事に神経を奪われる。その前に3月刊行の読図本の骨格と肉付けくらいは仕上げておこうという魂胆だ。トレーニングに出た以外は、家に二日籠もって概ね片付け、更には正月に帰宅した実家でも、あまり頭を使わなくてすむ図版づくりを続けた。おかげでだいぶ進んだが、正月明けにはややぐったり。
 読書の方は、「チームバチスタの栄光」を大晦日から元旦にかけて読み切った。本来こういうベストセラーものは避けるたちなのだが、医龍2を見て興味を持ったことと、何より著者の海堂尊(これはペンネームで、本職は医者)が、ブルーバックスで「死因不明社会」という本を出していて、その帯に「『チームバチスタの栄光』は、この本を書くために生まれた」と書かれていたからだ。
 日本では、死者のうち死因が分かっているのはたった2%。先進国ではダントツの低さだという。もちろん解剖をすれば、死因は明確になるが、解剖は遺族の意志でできないこともある。それでは「死の教訓」が生かされない。それを補うのが、オートプシー・イメージングという画像解析技術なのだ。その普及を訴える手段として海堂氏は、「バチスタ」の中で、オートプシー・イメージングが事件解決の鍵になるというストーリーを展開している。
 そういえば、こちらも医者だが、石黒曜氏(これもペンネーム。ちなみに黒曜石をもじっている)も火山爆発を素材にした小説「死都日本」を書いてベストセラーになった。あまりにリアルな描写に、火山学者からも絶賛されていた。
 オタク的なネタこそ、人間や社会の根幹に関わる主題と結びつけると、いい小説ができるということか。その意味ではナヴィゲーションにもマンガか小説にはうってつけの蘊蓄ネタがごろごろしている。祖母の願い通り、医者になっておけばよかったか・・・。

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