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2007/11/20

ナヴィゲーション・マスター

 大日岳遭難事故後の文科省の安全検討会の委員になったので、この事故についての勉強をはじめた。事故は冬山の雪崩遭難であり、ナヴィゲーションとは無関係だと思っていたが、調べてみるとそうでもないらしい。

事故の概要は雪庇の崩落だが、その雪庇がそれまでの常識を越えた巨大なものであり、なおかつ、オーバーハングでない根元から崩落したというのだ。つまりこれまでのように「先端から10mくらい離れていれば大丈夫」なアバウトなナヴィゲーションではだめで、正確に山稜の周辺を移動しないと危険が避けられないようだ。その精度は、コンパスベアリングはおろか、通常のGPSでも出すのは難しい。

 これまでGPSは特に条件のいい場合では精度は10ー30m程度であり、山登りには十分、と考え、また本にも記述してきたが、こういう究極の環境下では役に立たないということが認識できた。自分自身が、もしその状況でナヴィゲーションをしなければならないとしたら、いったい何ができるだろう?

 「いつか僕自身が、アバランチ(雪崩)マスターになれればと思う」という(専門書を書くほどの専門家である)トレンパーの言葉が身にしみる。

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