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2006/12/24

香港へ

 その昔、シャクターという心理学者が今ではとても許されそうもないこんな実験をした。生理的喚起状態を催すような薬物を注射した後、一方の群の被験者は嬉しそうにしているサクラ被験者の中に入れ、他方の群の被験者を怒っているサクラ被験者の中に入れた。すると、同じ生理的喚起状態であるにもかかわらず、嬉しそうなサクラの中に入れられた被験者は、自分の生理的喚起状態を「嬉しいことに由来する興奮」と解釈し、楽しく感じた。他方、起こっているサクラの中に入れられた被験者は自分の状態を「怒っていることに伴う興奮」と解釈し、不快に感じた。感情は生理的喚起とそれに対する意味づけで成り立っていることの証拠としてよく引用される研究である。
 昨晩からよく寝付かれなかった僕は、多分生理的喚起状態にあるので、普段なら「ワクワク」といった感情が知覚され、「香港にいくことで興奮しているのだ」と解釈するのだが、うつ傾向で「楽しさ」を感じられない今は、それがむしろ「心がわさわさした」不快で不安感なものに解釈されてしまう。おそるべしシャクター。

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