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2006/08/06

仕事が詰んでいた出発直前は身体的にも辛く、正直出発するのをやめてしまおうかとさえ思う時もあった。トレーニングキャンプの数日も、まだその不調をひきづっていた。そのことを思い出すと、まあ尋常な状態で世界選手権を終えることができたこと自体夢のようなことのように思える。

 ミドルの予選を終えて、世界選手権で決勝を走るには、相当な寄り道が必要だと悟った。今の自分にはそれだけの寄り道はさすがに許されないだろう。リレーで他の選手より確実に遅いとも思わなかったが、確実に速いといい切ることもできなかった。少ない自分のリソースをチームが最大限に生かすには、立場を変えるしかないと、予選を終えて二日後ぐらいに決断した。男子チームは実力が拮抗していたから、そこから最善の選択をし、また選ばれた選手が力を尽くすには、もっとコミュニケーションが必要だと思った。日本語がまだ堪能でないロブ一人では、それは難しいだろう。

 その選択が少しでもチームに利したか、結果としてはよく分からない。分かっているのは、予選の成績と比べる限り、チームは力を出し尽くしたということだ。今回はコースも比較的ひねってあって、チーム間の差が大きくなっていた。目標とする順位をコンスタントに達成するには、裏を返せば大きな集団で推移するレースでも確実にその集団の中に身を置かなければならないということだ。

 組織のことも分かった1選手としてチームの中に身を置いて見ると、選手強化や派遣の体制についても改善しなければならないことは多い。世界選手権で多くのアジアの友達に会えば、そのために何かをしなければならないとも思ってしまう。

 この寄り道で、僕はたくさんの「おみやげ」を持ち帰ることになった。

 

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