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2010年11月15日 (月)

安全教育のチャレンジ

 卒論生と共同で、小学校での危険認知の授業を行った。4-5人の班で校内を20分間周り、危ないと思う場所、なぜ危ないかを探しだし、クラスでまとめて、どこがなぜ危ないか、どうしたらいいかを考える授業だ。
 最初の動きが緩慢としていたので、危ない場所がしっかり発見できるかどうか、やや不安だったが、多い班で10個近くを見つけてきた。
 次にグループで話し合い、各班の「ワーストランキング」3位までを決める。本来順位のつくようなものではないが、本当に危ないのか、どのくらい危ないかといった話し合いの論点が出てくることを期待している。ランキングを決めるとなると、どうしても「多数決」をするグループが出てくる。そういうグループには「ねえねえ、本当に危ないの?」「どうして危ないの?」と問いかける。子どもどうしだから、些細なことにこだわったり、理由をちゃんと言えないので、うまく議論がかみ合わないことがある。たとえば、遊具がなぜ危ないかという時、「遊んでいるからだよ」という子がいる。他の子が「廊下だった遊ぶじゃないか」と反論すると、行き詰まってしまう。そこで「なんで遊んでいると危ないの?」と聞いてやると、「早く動こうとするから」など、重要な視点が出てくる。彼らは危険の要因はわかっているが、それを総合的にまとめ上げたり、相互に比較して、そこから新たな視点を生み出すことはできない。それは発達段階の限界なのかもしれないし、今の子どもたちが、遊びの中でそういう調整機能を活用してこなかったからかもしれない。
 なぜ危ないかをまとめたら、それに対する対策を考えてもらう。「注意する」といった抽象的な対策もでるが、かなり具体的・実行可能かつ役に立ちそうなものが出たことにはびっくりした。たとえば「角でぶつかる危険がある」というのに対して、「大回りをすればいい」。小学生ゆえに個人差はあるが、彼らはある程度危険の存在もなぜ危険かも、どうすればよいかもわかっている。逆に言えば、「・・・が危険ですね」「・・・しちゃいけないですね」というだけでは十分ではないということだ。大人でもわかっちゃいるがやめられない。そう考えると、これは安全教育における大きなチャレンジでもある。

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2010年11月11日 (木)

自分で考える

 野外活動の授業では、授業開始前にツールボックスミーティングを行う。活動場所の地図を見せたり簡単に口頭で説明をしたあと、1分ほど、どんなトラブルの可能性があるかを考えてもらう。とにかくリスクに意識を向けてもらおうというねらいだが、始めて行う活動も多いので、彼らの中からリスクの指摘が少ないのは、まあ仕方ないのかなとも思う。
 昨日は、リスクを主題にした授業を行った。僕が安全に関する委員をしているOBSの浜谷さんにやってもらったものを参考にしたものだ。最初は何も言わずに、活動場所まで移動。その間、わざとテニスコートの中を通過したり、林の中を通過する。テニスコートでは当然のようにラケットを使ってボールを打っている。通過の様子を見ていると、特に注意の度合いを高めるでもなく、漫然と広がったまま歩いている。集合後に尋ねると、テニスコートでのリスクを感じた学生は1/3程度。では、それについて何か対応しながら歩いたかと尋ねると、手を挙げた学生は1名のみだった。
 次にウォームアップとして、3人の中間に立つ人が身体をゆっくり傾け、両脇の人に交互に体重を預ける活動を行った。後ろ向きに倒れるのはけっこう怖い。「じゃあやって」といっていきなり始めようとする3人を制止して、「本当に大丈夫?」まわりのみんなも声を掛けてみて、と促すと、少しづつリスクの正体とそれへの対処法が明らかになってくる。挙げられたことに注意しながらやってみるが、実際にやると気づかなかったリスクがさらに挙げられる。「時計が当たる」とか「服がすべる」などは、確かにやってみないと気づけない点だろう。
 次はメインメニューのバックフライング。ここでも、ある程度のインストラクションをした後、「じゃあやってみようか」というと、いきなりやろうとするので、再び「本当に大丈夫?考えられるリスクへの対応はした?」と問いかけると、そこで始めてグループ内で声を掛け合い、確認が始まる。その時一番不満だったのは、今さっきでたばかりの「服がスベル」「時計が当たると痛い」に対して、対応行動をとった学生がいなかった点だ。
 自分で考える、っていうのは、こんなところからスタートするのかもしれない。

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