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2007年4月23日 (月)

基礎基本ほど難しい

 自ら考える力を養うために総合的学習が導入されたものの、学力低下が指摘され、「基礎基本の定着」への揺り戻しが起こった。だが、基礎基本の定着が意外とくせ者だ。指導している大学院生(現職教員)が、小学校高学年で習う図形の求積についての研究を行っているが、求積の基礎である三角形でさえ、傾いた形で提示されたり、高さが図形の外に出てしまうような鈍角三角形では、学習後しばらくたつと、高さをとらえることさえ難しい子どもが数割ほど出てしまう。「ある辺の長さと、その辺に垂直に、もう一つの頂点まで引いた長さを掛けると面積が出る」という、自明にも見える話なのだが、実際その定着は容易ではないという。
 院生からこの話を聞いて、等高線から尾根・谷を理解する難しさのことが思い浮かんだ。等高線による尾根・谷表現の原理は非常に簡単で、等高線が高い方から低い方に凸になっている場所をつなぐと尾根だ、と講習ではいとも簡単に言う。しかし、現実の複雑で多様な等高線を前にすると、その原則を確実に適用できず、尾根・谷が把握できない利用者も珍しくない。できる人はすぐできるようになるし、ステップアップも可能なのに、なかなかそれができない人もいる。基礎基本ほどむしろスキル差が目立つ感じさえする。

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2007年4月20日 (金)

印象を取り出すのは難しい

2月に調査した、熟練者の危険認知と評価のプロセスを学会発表の原稿にした。インタビューを聞いている時には、確かに熟練者らしい視点と内容に見えたが、コーディングして、熟練者群と非熟練者群を比較してみると、なかなかその差が取り出せない。「教育的意義とのバランスへの配慮」「具体的なシナリオの想定」「子どもの気づきへの配慮」などは、話を聞いている時には熟練者の特徴に見えるが、実際には非熟練者も同じような割合で、そういうことには言及している。ただ全体にどう考えたかと総括して聞くと差が出る。非熟練者群である学生も、教育学部の学生として児童・生徒の指導にあたった経験があるので、具体的な場面が与えられれば、熟練者と同じように多様な視点で評価ができるのかもしれない。熟練することで、それがより一般化されたルールとして汎化されているのかもしれない。

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